SD標準規格の紹介
SD標準規格にはSDメモリカード規格を中心として、各種データを共通に扱えるようにするアプリケーション規格、ホストデバイスの開発を支援するホストコントローラ規格、機能拡張が容易に行えるSDIO規格などがあります。 スマートフォン、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、パソコン、タブレット、プリンタ、カーナビシステム、電子書籍など、民生用電子機器やポータブルストレージデバイスなどの複数の市場セグメントに渡る業界標準として、これらのSD規格が利用されています。例えば、メーカーはSD規格を応用したスマートフォンを提供することで、数百万のユーザーは、音楽の観賞、ビデオの録画、写真の撮影、データの保存など、更なる高機能・高性能なデジタル体験ができるようになりました。
今日の市場をリードし、デジタル世界の未来と共に進化し続けます
フォームファクタについて
SDカードには、標準サイズ、miniSD、microSDの3つのフォームファクタがありますが、miniSDはmicroSDに置き換わり、今はほとんど利用されなくなりました。下記表には近年広く幅広く使用されている標準サイズとmicroSDの2つのフォームファクタの特徴を掲載しています。
各フォームファクタには端子数が異なる2種類のカード・タイプがあります。UHS-IIカードから高速シリアル伝送用の端子が追加されました。最初の規格から存在するSDバスインターフェイス端子を第1ロウと呼び、2列目に追加した端子を第2ロウと呼んで区別しています。UHS-IIIカードとSD Expressカードも第2ロウを利用します。
第1ロウには、3.3V電源(VDD1)が1端子があり、標準サイズカードは合計9端子(グランド2端子)で構成され、microSDカードは合計8端子(グランド1端子)で構成されます。第2ロウには、差動データ信号4本、1.8V電源(VDD2)が1端子とグランド3端子が追加され、標準サイズカードは合計8端子、microSDカードはさらにNFCインタフェース1端子(後術)が追加され合計9端子で構成されます。すべてのカードは第1ロウは必須ですが、第2ロウはUHS-IIカードおよびSD Expressカードだけにあります。互換性を維持するため、第1ロウだけを使用するバスモードは3.3Vだけで動作しますが、第2ロウを用いて通信するバスモードは3.3Vと1.8Vの2電源が必要になります。microSD Express カードにはオプションの 1.2V 電源が必要です。 SD 仕様には、UHS-III というより高速な UHS仕様も含まれておりSDA メンバーの Web サイトで詳細確認出来ます。
第2ロウが定義される以前に、microSDフォームファクタに非接触通信用の2つのアンテナ端子がオプションとして定義されていましたが、第2ロウ端子は、アンテナ端子と重なる位置に配置せざるを得ませんでした。そのため、第2ロウにアンテナ端子に代わるNFC(Near Field Communication)インターフェイス端子を追加し、UHS-IIカードでもシングルワイヤプロトコルによる非接触通信の実装を可能にしました。
形状 | SD | microSD | |
サイズ | |||
カードタイプ | SD, SDHC, SDXC and SDUC | ||
物理仕様 | ピン数 | High Speed と UHS-I : 9 端子 UHS-II : 17 端子 SD Express 1-lane : 17-19 端子 SD Express 2-lane : 25-27 端子 |
High Speed と UHS-I : 8端子 UHS-II : 16 端子 SD Express 1-lane : 16-17 端子 |
動作電圧範囲 | 第1ロウ 3.3V VDD : 2.7V – 3.6V 第2ロウ 1.8V VDD : 1.70V-1.95V |
||
書込み 保護スイッチ |
あり | なし |
NANDメモリ技術は驚異的な進歩を遂げ、年々指数的なメモリ容量増加を達成しています。メモリ全領域にアクセスする時間を短縮するために、メモリ容量の増加に応じてより高速なバススピードモードに拡張してきました。SDバスインターフェイスには、標準スピード、ハイスピード、およびUHS-Iの3種類のバススピードモードがあります。これらは、端子並びが1列の第1ロウを用いたバスインターフェイスを用いています。
UHS-IIカードは、第2ロウ端子を使用した低電圧差動信号(LVDS)伝送により、UHS-Iよりもはるかに高いバス速度を実現できます。SD Expressカードも第2ロウ端子を使用した低電圧差動信号(LVDS)伝送を行いますが、UHS-IIがSD独自規格であるのに対し、SD ExpressはPCI Express規格に準拠したバスインターフェイスを採用しています。また、UHS-IIおよびSD Expressカードは、第1ロウのインタフェースを使用することにより、従来SDホストデバイスとの相互運用性を維持することができます。
SD規格の形式
- 容量 (SD/SDHC/SDXC/SDUC memory cards)
- SDIO
- ASSD
- Embedded SD
- アプリケーションフォーマット
簡易版の技術仕様のダウンロード
開発者向けに、SDメモリカードの技術仕様の一部(簡易版)をダウンロードすることができます。全ての技術仕様を入手するには、 SDアソシエーションにご加入ください。
自社製品にSD規格を採用するには
新製品にSD規格の採用をお考えの場合は、以下の資料をご参照ください。