SD規格ファミリー
SDアソシエーションは、接続が容易なSDバスインタフェースの特徴を活かし、広範囲な用途に活用できるSD標準規格を提供しており、SD標準規格には、SDメモリカード規格を中心として、各種データを共通に扱えるようにするアプリケーション規格、ホストデバイスの開発を支援するホストコントローラ規格、I/O機能拡張が容易に行えるSDIO規格などがあります。また、SDメモリカード規格は、SDメモリカードを構成するためのSD物理規格、フォーマットを定義するSDファイルシステム規格、著作権で保護を行うSDセキュリティ規格の3規格で構成されています。
SDメモリカードは不揮発性の「ストレージ」として分類されますが、その中でも取り外しをしない「エンベデッドメモリ」に対して、SDメモリカードは、取り外しが可能な「リムーバブルメモリカード」に分類されます。また、フラッシュメモリの容量拡大に伴って3回の規格拡張を行ったため、SDメモリカードにはSD、SDHC、SDXC、およびSDUCの4種類の容量帯があります。これらのカードにはセキュリティ機能が搭載されており、著作権で保護されたオーディオ、ビデオ、書籍のストレージとして利用できます。
また、メモリとI/O機能を統合したカードを「コンボカード」と呼び、主としてASSDとiSDIOといったコンボカード製品があります。アドバンスド・セキュリティSD(ASSD)規格は、CPRM以外のセキュリティ機能を追加する規格で、smartSDメモリカードに応用されています。インテリジェントSDIO(iSDIO)は、SDIO規格を簡素化し、インテリジェント化を可能にした規格で、ワイヤレスLANメモリカードに応用されています。
SDIO規格は、SDバスインタフェースに接続したI/O機能をSDIOコマンドにより制御可能にし、既存のSDメモリカードスロットを用いてI/O機能拡張が行える「SDIOカード」や、ホスト機器に直接I/O機能を実装することができる「エンベデッドSDIOデバイス」があります。
このように体系化されたSD規格の普及によって、これまでに数え切れないほどのデバイス、アプリケーションおよびサービスが生み出されました。