アプリケーションパフォーマンスクラス
SDメモリカード使用の拡張用途として、SDメモリカードへのアプリインストールやアプリデータの格納などのケースが増えています。スマートフォンに十分な内蔵メモリがない場合の回避策としての使用もその一つです。また、アンドロイドの内蔵メモリ拡張機能の登場により、アプリケーション用メモリ拡張の要求はさらに高まっており、ランダムおよびシーケンシャル双方のリード/ライト性能の改善が求められています。
アプリケーションパフォーマンスクラスは、SDメモリカード上のデータ編集などを含むアプリケーションを快適に利用するための規格として策定されました。
SD物理仕様 Ver.5.1で規定されたクラスであるアプリケーションパフォーマンスクラス1(A1)では、地図、写真、動画、音楽、辞書、書類、といったデータのSDメモリカードへの単なる保存だけでなく、データの編集や更新などの処理速度においても改善を享受できます。
SD物理仕様 Ver.6.0で規定されたクラスであるアプリケーションパフォーマンスクラス2(A2)では、コマンド・キューイングとキャッシュ機能またはメンテナンス機能がサポートされている場合は、効率的なメモリ管理が可能になります。アプリケーションパフォーマンス規格は、UHSタイプのSDHC/SDXCメモリカード製品で適用可能です。
下記の表は、アプリケーションパフォーマンスクラス1 (A1), 2 (A2)それぞれの概要として、クラス表示マーク、要求性能としての最小ランダムリード/ライトIOPS値と、シーケンシャルライト性能(MB/sec)が示されています(IOPSは1秒当たりに実行可能な4KBリード/ライトコマンド数)。これらの要求性能は規格で与えられた条件下での測定に基づいています。
ホストデバイスはSDステータスレジスタのフィールドによってカードのアプリケーションクラスを識別でき、ユーザーはホストデバイスとSDカードのクラス表示マークの組み合わせにより、得られるアプリケーションクラスを識別できます。A2に対応したホストデバイスでA2パフォーマンスを得られるのは、A2に対応したカードとの組み合わせのみです。A1に対応したホストデバイスとA2に対応したカードの組み合わせでは、少なくともA1のパフォーマンスが得られます。
アプリケーションパフォーマンスクラスについては白書をご覧ください。下記のビデオからも詳細の一部をご覧いただけます。